低気圧で片頭痛

世間が「片頭痛」という言葉にまだ馴染みがなかった時代。平成初期の6月某日、とある片田舎で町内の小学校対抗陸上ホッケー大会が開催された。朝から小雨が降ってはいたが中止にはならず、この日のために練習を積んできた児童たちは皆、安堵した。弱小チームのキャプテンを任された私もいつになくハイテンションで試合に臨んだが、2試合とも完敗。緊張から開放されてしばらくすると・・・なんだか頭痛がする😥雨に濡れて風邪でもひいたのか?でも寒気や喉の痛みなどはない、いつもの風邪のときの頭痛とはちょっと違った痛みであることが子どもながらもわかった。担任に言って早退させてもらった。翌日は何事もなかったように頭痛は消え、風邪の症状もなかった。特に気に留めずその後は元気に過ごし、小学校を卒業した。

そんな事をすっかり忘れていた中学2年の6月、それはまた訪れた。しかし今度は1日にとどまらず、2〜3日続いて治ったかと思ったらまた来る、といった感じだった。授業には集中できないしなんとも言えない頭の痛み方に嫌気が差し、ついに「学校行きたくない」と親に言った。浴びた言葉はもちろん"心配"ではなく"激怒"だった。父は私の肩を掴み、「何でだ!学校行け!」「いじめられてるんか!」・・・更に頭に響く🫨「頭が痛い」というフレーズを何度となく言ってきたが、もはや精神の不調か仮病としか捉えられていないようだった。やがて日が経ち頭痛はなくなり中3に進級し、6月。まただ。前年は2年生だったから中だるみしてたのかな、などと自分でも根拠のない解釈をしていたのだが、高校受験も控えていてたるんでなどいないのに😭と悲しくなったが、それを悔しさに変えて痛みに耐え、辛い時期を越した。早退すると親に怒られると思い、あまりに痛い時は保健室で休ませてもらったこともあった。

それから高校、短大へと進学し1人で過ごす時間が増え、テレビの情報番組を観ていると・・・「梅雨の時季の片頭痛」の話題を時々目にした。症状は人によって様々で、重い人は起き上がれないほどだったり吐き気がしたりなど。私も6月になるとよく頭痛が起きるけど、そういう人は可哀想に、大変だなぁと思っていると… ん?6月…梅雨…頭痛… あれ?私のアレも、片頭痛だったのか!?😳・・・と思った瞬間、漫画みたいにヘナヘナ・・・🫠となったとさ。

症状の程度が重すぎず軽すぎず中途半端なものだったせいか、発症時は辛いけれどそれ以外の時期はすっかり忘れているという情けなさである。

この事を社会人になってから親に話してみた。

私「中学んときさぁ、梅雨の時季に頭痛くて学校行きたくないって言ったらめっちゃ怒ったじゃん?あれ片頭痛だったんだよ。仮病だと思ってたっしょ?」

父「・・・ふぅん、そうかぁ🙂」(←覚えてない、理解してない、または興味がない)

母「あぁ、そぅか〜😢」(←理解してくれてる)

2人の差は、"聞く力"というやつだと思う。

こうした身体の不調や人体のしくみに無意識に興味や不安が生じたから…かどうかはわからないが、後に私は医療系の学科に進学することとなった。